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CONCEPT



Apparel / Fukuoka
kaene
kaene
Concept:
「kaene|歴史を歩く、一本の動線」
福岡・大名の中心に、ひとつのコンセプトショップが生まれた。名前は「kaene」。ドレスメーカーとしての長い歴史を持つ株式会社侶丹が、新たに展開するカジュアルラインだ。
依頼を受けたとき、真っ先に浮かんだのは、この空間に“歴史をどう刻むか”ということだった。
3代目社長が新たに打ち出したブランド。けれど、その背景には確かな「時間」と「家族の物語」が流れている。
同じく親の背中を見て育ち、家業を継いだ者として、他人事とは思えなかった。
だからこそ、売場をただ“商品が並ぶ場所”にはしたくなかった。選んだのは、一本の動線で歩かせるレイアウト。
あえて回遊性を排除し、来店者がまるで物語を辿るように、空間を進んでいく構成とした。
道中には、時代やシーンに応じたコーナーを点在させ、その最奥には、ブランドの原点であるウェディングドレスを静かに置いた。これは、kaeneの未来が、侶丹の過去とつながっているという明確なメッセージだ。
空間全体は、主張しすぎない柔らかさを意識した。木毛セメントボードやテラゾーが醸すやさしい質感、コッパー塗装のハンガーパイプ、そして随所に仕込んだ曲線のディテールが、女性らしさと凛とした空気を添えている。
設計者としての欲は最小限に。
主役はあくまでドレスたち。
その代わり、空間には余白とリズムを用意した。
そこに、クライアントのセンスが宿り、空間は完成した。




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